賃料に対する消費税の取扱いについて国税庁から相反する曖昧な見解が示されています。
消費税法基本通達9-1-20により、消費税率が変わるタイミングは「当該契約または慣習によりその支払いを受けるべき日」と明記されており、3月末日までに支払われる4月分家賃は、前受金処理をしている場合は新税率の8%、前受金処理をしていない場合は5%で良いと解されています。
我々宅建協会でも「月刊宅建」新年号にて消費税改訂のタイミングに関する記事が掲載されており、この記事でも前受金処理をしていない場合の3月末日までに支払う約定となっている4月分家賃は5%で良いと掲載されています。
弊社でも新年早々各テナント様にお送りした「消費税改訂についてのお知らせ」にて、賃貸借契約書の約定により3月末日までに支払われる4月分家賃は消費税5%という告知を発送しています。
これは国税庁消費税基本通達9-1-20の解説を元にして消費税改訂のタイミングをお知らせした物です。
インターネット上でも多数の税理士さんが賃料に関する消費税改訂のタイミングについて解説しております。
私が見つけたほんの一部をご紹介します。(2月5日現在です)
○ながいいたる税理士事務所
○落合会計事務所
このように税務の専門家も消費税基本通達9-1-20に関する解説を行い、我々もこの解説のとおり前受金処理していない場合の事業用不動産賃料に関する消費税は「3月末までに支払われる4月分賃料は消費税5%」と信じ込んで消費税改訂の準備を進めていました。
ところが昨日、「月刊宅建掲載の消費税の扱いが国税庁の1月20日付け通達により変更になります。」との知らせが届きました。
宅建協会のウェブサイトにも「消費税の取扱いに関する修正のお知らせ」が掲載されました。
調べたところ1月20日付の通達と言われる物は通達ではなく、国税庁消費税室から発行されたQ&Aでした。
このQ&Aでは、「3月分に支払われても4月分の賃料に対する消費税は8%」と明記されました。
これにより、国税庁としては賃料に対する消費税課税のタイミングを明確に示したつもりなのでしょうが、消費税基本通達9-1-20とそれに対する税務の専門家達がそれぞれの顧問先やウェブサイトで解説してきた事を無視し、直前になってこのようなQ&Aを発行する事は納得出来ません。
社会の混乱を招くだけでなく、あまりにも無責任過ぎるのではないですか?
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