2010年10月5日付の不動産業界向け新聞「住宅新報」に『家賃滞納者の明渡し円滑化』という記事が出ていました。
これは国土交通省が賃貸住宅の明渡しを円滑に進めるためのマニュアルを2010年度内にとりまとめ、借主の滞納により紛争に発展した場合など、もっともスムーズに解決出来るケースをこれまで蓄積された判例を基に纏めたもののようです。
当社でも今年の春頃、実際に強制執行をせざるを得ない状況の物件があり、やむなく弁護士に依頼して強制執行を実施いたしました。
住宅新報の記事にもありましたが、強制執行に至るケースでは滞納発生から強制執行まで平均8.7ヶ月と記載されており、当社の場合でも約9ヶ月間の家賃滞納(約120万円)となり、その他に強制執行に要する裁判費用・執行官費用・強制執行の人工代・弁護士費用等々で100万円を超える費用が必要となり、更に家財道具等の保管が発生するとプラスアルファで保管倉庫の費用も掛かってきます。
借主側にも様々な事情はあるでしょうが、貸主側にとっては家賃が入ってこないだけではなく、プラスアルファの緊急出費となり、正に踏んだり蹴ったりの状態となります。
強制執行にはかなりの費用負担が必要なことから、一部の悪質滞納者は「多額の費用を掛けてまで強制執行はしない」と思っている人達もいるようです。
国土交通省がマニュアルを作成し、家賃滞納者の明渡し円滑化を進めるのは良いことですが、もっと根本的な面から消費者保護を強化するのであれば、保護をされるためにはその為の権利と義務もきっちりと明確化し、片手落ちの法制度にならぬよう、きちんと法整備も見直す必要があると思っていますが如何でしょうか。
消費者保護法や消費者契約法は、悪質な事業者から消費者を守るためには必要なのですが、ちょっと消費者を過剰に守りすぎていると感じるのは私だけなのでしょうか?
個人情報保護法が出来てからも学校で緊急連絡網が作れなくなったり、かえってマイナス面も指摘されており。
我々業界団体でも会員名簿作成時などかなり現場での苦労があるのです。
言い出すときりが無くなってしまうので、今日はこの辺で終わりにします。
0 件のコメント:
コメントを投稿