2006年9月30日土曜日

大手の存在意義と中小の役割

一般庶民や民間レベルでは景気回復を肌で感じることは残念ながら出来ていません。



しかし、大部分の大手企業はほとんどが過去最高益を記録し、景気はミニバブルと言われるまでに回復しているような報道が目を引くのですが、その一方で不安材料も非常に多く、ソニーではパソコン用バッテリーの出火騒ぎで約640万個ものリコールが発生しているようです。



レクサスは予想を遙かに下回る販売台数で大幅な赤字計上を余儀なくされ、市場の動きが今までの法則では予測不可能な感じがしています。



でも大手企業はその莫大な資金と体力をもって、どのようなトラブルにも対応し、もうお仕舞いかと言われた三菱自動車グループも何事もなかったように復活しています。
体力と言ってしまえば元も子もないのですが、やはり大手の安心感は絶大なものがあります。



それでは中小の出番が無いのか?と言うと決してそんなことはなく、一時大手が全てを独占してしまうのではないかと危惧されましたが、最近ではきちんと棲み分けが出来つつあるような気がしています。



我々不動産業界で言うと、遙か昔の大手は資金力に物を言わせて大型の開発分譲に特化した営業展開をし、仲介やまして賃貸等は全く業務分野外でした。



一方で中小は売買仲介や賃貸仲介、賃貸管理を行って大手中小の棲み分けがしっかりしていたのです。



しかしながら昭和52年に三井不動産販売がフランチャイズ展開を開始、その後の昭和56年には現在の原点ともなる三井のリハウスシステムを構築して仲介業務に本格参入してきました。
昭和53年には東急不動産が東急の仲介「青い空」(現在の東急リバブル)をスタートし、その翌年の昭和54年には住友不動産販売が仲介業務に裾野を広げ、大手による仲介市場参入が本格化しました。



現在ではこれらの大手が昔は見向きもしなかった賃貸仲介業にまで参入し、業界の裾野まで大手が牛耳ってしまうような気配もあったのですが、利益率の低い裾野になればなるほど仕事が粗くなり、大手とは名ばかりで営業の意識レベルが低く、大手らしからぬ社員教育のなされていない人達が現場に出てくるようになっています。



情報そのものは昔と違って営業マンに聞かなくても自分で調べて取得することが出来るようになり、不動産会社の存在価値はどこにあるかというと、その接点である人(営業)が顧客の方をしっかり向いてプロとしての仕事が出来るかどうかに掛かっています。



利益率が低くなればなるほど現場で働く人達がアルバイト的な感じになり、賃貸業界では質の低下が深刻な問題となっています。



逆に言うと、質が低下すればするほど、ちゃんと仕事をしている人が目立つと言うことなので、大手中小を問わずこの辺りが生き残りの原点かも知れません。



デジタルが進化すればするほど、アナログの貴重さ・大事さが目立ってくるのと同じ現象ですね!



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