このところアメリカの不動産業界が新しい流れに困惑し、業界団体「NAR」(全米リアルター協会)対「Redfin」という構図が生まれてきているようです。
さてさてこの「Redfin」とはいったい何者なのか?
不動産取引をアシストするのだがどうやら不動産会社では無いようだ!
オンラインで不動産情報を提供するところまでは、過去にもブログに書いた「Zillow」に似ていると言えば似ています。
過去に書いたブログはこちらからご覧下さい。→→→
アメリカではMLS(Multiple Listing Service)といって日本で言う「レインズ」のような不動産流通機構が存在しています。
日本との一番の違いは、このMLSは一般ユーザーでも物件情報を見ることが出来る点でしょうか?
日本のレインズは不動産会社しか情報を見ることが出来ず、エンドユーザーには公開されていません。
かつてレインズの一般公開説が浮上したことがあったのですが、業者間情報(プロの情報)を一般ユーザーに公開すると、正確でない情報によってユーザーが混乱すると言うことで先送りとなっています。
その結果、レインズ情報と同じ情報源によって一般ユーザー向け情報を配信する「不動産ジャパン」が出来たわけですがどうも上手く機能していません。
アメリカのMLSは日本のレインズとは情報量が桁違いで、その不動産の過去歴が殆ど判ると言っても過言ではありません。
その不動産が売買された日時と価格は、日本のレインズでも解るのですが、MLSは買った人が買う際にいくらローンを使ったかまで解ります。
エンドユーザーは不動産会社(ブローカー)と違ってそこまで詳細なデータにはアクセスできないのですが、欲しい物件情報は充分に入手できます。
ちなみ昔私が視察に行ったニュージャージーのMLS情報を見ていただくとどんな情報が公開されているか解ると思います。
長い長い前置きとなりましたが、このRedfinは一般ユーザーが知り得たMLS情報を元に売買の補助をする会社のようです。
TechCrunchというサイトでRedfinの解説を日本語訳でしていますので興味のある方は是非見てください。
ある意味不動産売買のコンサルタント業なのかも知れないのですが、このサイトを見ていくと不動産取引の際に相談するコンサルタント?(結局はブローカー?)を紹介しています。
ユーザーにとっては不動産会社(NAR認定のブローカー)と取引するよりは手数料(コンサルタントフィー)が安く済む仕組みを提供しているようです。
NAR(全米リアルター協会)では、会員権益擁護のために真っ向から戦う姿勢を見せているようですが、安全な取引が出来て手数料が安ければそっちに流れる顧客心理。
時代の流れとの戦いはどのような形で決着するか?暫くアメリカから目が離せなくなりそうです。
日本でもインターネットを駆使している会社の中には、アメリカ並の手数料減額システムを打ち出しているところも結構あり、日本の手数料規定もそろそろ実態と合わなくなってきているのかも知れません?
今年の4月1日にエイプリルフールで冗談半分・本気半分で書いた国土交通省の法改正はそろそろ現実味を持って来るのかも知れません。
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