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2014年6月15日日曜日

賃料に対する消費税と契約書の記載内容について


この4月に消費税の改訂があり、5%から8%に変更となりました。

弊社が使っている事業用賃貸の契約書では、「契約期間中に消費税の改訂が有った場合、その改訂消費税分は借主負担」と明記してあります。
ですからこの4月分賃料(3月末支払い分)から消費税は8%とさせて頂きました。

問題なのは、契約書にそもそも消費税の記載が無く、表示は賃料としてのみ記載されている場合でした。

このようなケースでは、賃料の中に消費税が含まれていると解され、仮に契約期間内に消費税が改訂されても、契約期間内の変更は「賃料の値上げ」となってしまう為に「消費税の転嫁は出来ない」と解されていました。

一般的には消費者保護法の問題も有るのでしょうが、きちんとした契約書を使っていないと貸主側に消費税増税分の負担が来ると言うのが一般的な見解でした。

ところが国税庁ではなく、公取委がパリミキの「賃料増税分据置き要求」に対して是正勧告を出したという記事が、つい最近の新聞に掲載されていました。
公取委というのが興味深いところです。

パリミキの言い分としては、「契約書に消費税が記載していない契約のみで、それ以外の契約は4月分から8%消費税で支払い」をしていたようです。

消費税の文言が入っていない契約書でも、借主側に消費税増税分を負担するように勧告が出たことは有識者の間でも意見の分かれるところでしょう。

今まではお金を払う側を徹底的に保護する「消費者保護法や消費者契約法」が有った為、過剰に消費する側を守って来た経緯が有ったものの、事業者で、特に大手はお金を払う側であっても「消費者契約法で保護する対象ではない」と言う判断が明確になされたと言う事でしょう。

これはある意味当然のことで、企業は事業者であるため、一般消費者とは別に考える事になったのはとても自然な事だと私個人としては強く感じています。

特に大手企業は社会的責任も大きく、法的な問題よりも大企業としてのコンプライアンスが重要だという判断がなされたことに、敬意を表し公取委の判断にエールを送りたいと思います。

2011年7月17日日曜日

更新料・敷引き共に有効判決が下る!

更新料判決7月12日に最高裁の判断が示された「敷引特約有効」の判決に引き続き、7月15日には「更新料特約有効」の判断が最高裁判所にて行われました。


消費者契約法の施行以来、何でもかんでも消費者保護の名のもとに契約内容が後から不当と言われ、当初合意して契約したものまでが遡って無効とされたり、賃貸市場では便乗組による更新料不払いが横行していました。


暴利と言えるような高額な請求は論外ですが、これまで何十年も商習慣として行われてきたものが、消費者契約法の名のもとに否定されるてしまうと、貸し手と借り手の需給バランスが崩れ、新たなるトラブルの火種と化していました。


敷引特約も同様で、契約当初に説明を受け納得して契約したはずなのに、解約する時になると「敷引きは不当だから納得できない」では、貸主側にとっては契約に違反されて騙されたようなものです。


善意の借り手を守るのは非常に大事なことですが、消費者契約法を盾にとって契約を履行しない悪意のある借り手がいることも事実です。


これで一定の歯止めがかかると良いのですが・・・ 



2009年10月31日土曜日

大阪高裁にて「更新料は有効」判決(平成21年10月29日)

本年8月27日に大阪高裁にて「更新料特約は消費者契約法により無効」との判決が下され、不動産業界と家主に取って衝撃的なニュースが駆け巡りました。


もっともその契約内容を見てみると、家賃45,000円に対し更新は年一回でその更新料は100,000円という、関東では想像も出来ないような契約内容でした。


その負担額からして特殊な例という位置付けにしてはいたものの、「更新料特約は無効」の部分だけが一人歩きし、「全ての契約で更新料を受領してはいけない」と誤解する方もいたようです。


その衝撃的な判決から約2ヶ月、同じ大阪高裁でまったく逆の判決が言い渡された訳です。


この「更新料特約は有効」判決の中身を見てみると、8月の無効判決とは違い、更新料は2年ごとで金額は賃料の2ヶ月分。


関東地方では通常は更新料1ヶ月分、2ヶ月分という契約はあまり見かけないと思います。
つまり、受領金額が常識の範囲内で且暴利的でなければ、「更新料特約は有効」ということです。


宅建協会の顧問税理士、賃管協会の顧問税理士双方から今回の「更新料特約は有効」判決の速報が流されてきました。