2006年9月9日土曜日

自殺があった物件の説明義務はいつまで?

今日は夕方6時から、社団法人 東京都宅地建物取引業協会 練馬区支部の平成18年度第6回目の理事会が開催されました。



社団法人の運営規則に則り粛々と理事会は進行していきましたが、今日は質疑応答に非常に興味深くしかも真剣に対応しなければならない事例が報告されました。



最初の問題は個人情報保護法です。



練馬区支部では役員改選期に会員名簿を発行し、5年に1回の写真名鑑を発行しています。
今年はたまたま会員名簿と写真名鑑発行が同じ年度に重なり、どうするか検討された結果名簿と名鑑はその利用目的が違うということで両方発行することに決定していました。



そこで問題となったのは「個人情報保護法」です。
営利目的の会社であっても法律上は「代表者の氏名や顔写真は個人情報」ということで個人情報保護法の趣旨に乗っ取り、掲載の可否を会員に委ねる形で掲載指示を仰ぎました。



最終集計は週明けの月曜日に行いますが、今日の段階ではおよそ20%程の会員から写真掲載拒否の回答があったようです。



今日の理事会で最初にあった質問は、写真名鑑と銘打っているものを写真が歯抜けでも掲載するのか?
という質問です。



正直なところ個人情報保護法が施行されてから初めての名簿発行となり、色々な議論は行ったものの机の上での議論で、実際の反響は経験していない上での判断でした。
実際スタートしてみると種々の問題点が浮き彫りとなり、結果写真名鑑を写真無しの人も掲載するのか?写真を掲載しない会員は掲載しないのか?意見は分かれました。



事が非常にデリケートな問題だけに今後の慎重な検討が必要な出来事でした。



我々の業界だけの問題では無く、学校でも卒業アルバムが作成できなくなったり、緊急連絡網が公表できなくなったり、業界の垣根を越えた議論が必要だとつくづく感じた次第です。



次は理事会終了間際に出た質問でしたが、「自殺部屋の重要事項説明はいつまで行うべきか?」という質問でした。
判例によると8年経過後は説明しなくても告知義務責任は問われないらしいのですが、道義的にどうなのか?



弁護士に相談すると「自殺があった部屋は何年経過しても説明義務は消滅しない」ということになるようですが、法律上の解釈と世間の実情はかけ離れたものもあり非常に難しい問題です。



しかも、自殺のあった部屋・殺人事件のあった部屋・自然死でも死後暫く発見されなかった部屋などそれぞれに状況が異なっています。



マンションの場合、その部屋でではなく階数も違って部屋も別でもその棟の中で起こったことは説明しておく必要があるのか?等々問題山積みです。



ユーザー心理からしたら、「些細な情報でも全て知りたい」のは当然な話ですが、我々不動産会社からしてみると全ての情報を公開するのが良いか悪いかユーザーが買主・借主だけではなく、売主・貸主もいるだけに双方がユーザーなので判断が難しいところです。



この問題は表面に出して論議することが良いか悪いかも含め、業界全体として、出来れば監督官庁の国土交通省も含めて大いに議論すべき問題だと思っています。



私のこのブログも見ている方は一般のユーザーだけではなく、同業者の方もかなりいらっしゃると思うので、是非ともご意見や経験談をお寄せいただければと思います。



もちろん一般ユーザーの方も、不動産業界の対応について率直なご意見をいただければ幸いです。



色々な意見と解決策が出て、初めて業界側とユーザー側の意識が一致することが出来るので、このブログをご覧になった方はご意見をお寄せ下さい。





2006年9月8日金曜日

皇帝ついに引退?

Schumacher アイルトンセナがこの世を去り、代わってF-1回の横綱(皇帝)の座を守ってきたターミネータ「シューマッハ」



若きライバルに勝てなくなり、それでも皇帝の意地を見せて今年は粘り勝ちをもぎ取り、やはり皇帝はまだまだ後輩に道は譲らないのか?と思っていた矢先、衝撃的なニュースが飛び込んできました。



どうやら今週末のレース終了後に引退発表をするらしい?
あくまでもらしい!ですが、スポーツ界のニュースとして小さくですが今朝の新聞に出ていました。



王者の引き際は何処でする?



音速の貴公子「アイルトンセナ」がこの世を去り、皇帝「シューマッハ」に世代交代した時のレースは思い起こせば12年前の5月1日。
ゴールデンウィークの休みでテレビを見ていたときに起こり、私だけではなく世界中が凍り付いた瞬間でした。



チャンピオン「セナ」が若きチャレンジャー「シューマッハ」に追い回され、「逃げに逃げてほんの僅かなミスが事故に繋がった」というのが本当のところかも知れません。



その時まさにセナの真後ろにいたのがシューマッハでした。



サイボーグと言われるシューマッハはあまり表情を変えないタイプですが、自分の目の前でライバルが壁に激突した瞬間は心の奥底にこの12年間ずっと眠っていたと思います。



頂点を極めた者の引き際は非常に難しく、「勝てなくなり・自然消滅的に引退」も当然あり。
絶頂期に突然引退し「何故この時期にやめるのか?」と惜しまれつつ引退するのもあり。
アイルトンセナのようにパッと散るのも有りでしょう。



絶えず人の目にさらされている頂点を極めた人達の引き際は難しいな!と思った一日でした。



2006年9月5日火曜日

主任者試験打合会

10月15日(日)は年に1回の宅地建物取引主任者資格試験の開始日です。
今年の申込者数は全国レベルで約2万人増の24万人とかなり受験者数が増えています。
これも景気回復の影響でしょうか?



(社)東京都宅地建物取引業協会では毎年受験会場にスタッフを派遣し、主任者試験を陰で支えています。
今年は受験者数が増えたことから、我々の派遣スタッフ数も昨年と比べるとかなり数が増えました。



練馬区支部では昨年20数名だったスタッフが、今年は34名を派遣することになり、10月15日は業界全体が開店休業で仕事になりません。
家探しユーザーは10月15日は避けた方が良いかも知れませんよ!



我々業協会が試験のバックアップをするのも、未来の仲間が増えることを歓迎しているのと、将来業協会を支えてくれるであろう人達の最初の関門をよりスムーズに運営して行ければという思いからです。



今年受験する方はしっかり勉強して(今からでも大丈夫)より多くの合格者が出ることを期待しています。



2006年9月4日月曜日

動画は何がベスト?

自分が顧客側の視点で不動産広告を考えた場合どうなるか?

判断基準はその物件の何たるか(特徴etc)を的確に伝えるている広告媒体、ということになるのだと思っています。
実際顧客の立場になったつもりで見てはいるのですが、仕事柄自分自身が真剣に家探しをした経験が無く、正しい判断かどうかは多少不安もあります。

折込広告にしても新聞広告にしても、紙媒体の場合は情報量が限られてきますが、一枚だけではなく何枚かの写真が掲載してあればそこに目がいくのは人間心理だと思います。

その進化版がテレビコマーシャル → インターネット広告ということになると思います。
大規模開発の新築分譲など、莫大な費用を投下して広告宣伝を行うなら、やはりTVCMがベストでしょうが、コストを考えるとインターネットの優位性が際だってきます。

インターネットも初期段階ではただの文字情報を送るだけ。
その内写真を掲載するようになり、今年からはWeb2.0の恩恵で動画が主流と変化してきました。

FDJの浅見編集長も「習うより慣れろ!」と言っているとおり、とにかく自身が経験し何が一番適した方法かを各自が自分で見つけることが大事なようです。

私も動画が流行りだした当初、いろいろと試してみました。
火付け役の「You Tubu」・莫大な資金とテクノロジーを駆使した「Google Video」・元々中古車販売のツールから始まった「らくちんFLVメーカー」・ブログサイトサイバーエージェントが運営する「Ameba Vision」・動画の元祖放送局フジテレビが運営する「Watch me TV Beta」その他にもいろいろあるようで、今後もこの手のサービスは次々出てくるでしょう。

進化が早すぎるのであくまでも今日時点の話ですが、私なりにベストチョイスを選んでみました。
前提条件は自社のウェブサイトを持っている。
外注ではなく自身で、もしくはウェブ担当者がサイトの更新を日々実施している。
といった条件の下での話です。

まず、「You Tube」・「Google Video」の先駆者ですが、無料でサービス提供しているだけに比べてみると画像解像度があまり良くないのが現状です。
それなりに評価は出来ますが、個人レベルでの利用がベストで、企業レベルとしては今は(今年は)良いけど、「この会社、情報発信にコストを掛けてないよね!」と今年後半?
来年早々?は言われるようになる気がしています。

「らくちんFLVメーカー」はとても簡単に情報発信が出来、特別な技術無くして動画配信可能なので良いのですが、画像の下に広告が入るのは、個人レベルでは良いにしても企業が顧客向けに情報配信する際は極力避けたいと思っています。

「Ameba Vision」と「Watch me TV Beta」はそれなりに後発組として、今までの欠点を補って進化した感じが見て取れますが、私自身まだ詳細な検証をしていないのでコメントは控えさせていただきます。

いずれにしてもこれらのサービスは自社サイト・自社サーバーを持っていないことを前提とした「ブロガー向けの個人ユーザー向けサービス」ということです。
過渡期の現在はこういったサービスをとにかく使って・触って・経験して、自社で使えるか否かを自ら知ることが一番大事なことでしょう。

今日時点での私の結論です。
動画共有サイトは、動画に慣れるために経験すべきサイトで、この経験無くして次のステージは見えて来ないと私は思っています。

ビジネスで利用する際は更にもう一歩進んだ工夫が必要で、現時点(今日時点)では「アクセスしてくる顧客の90%がマイクロソフトのインターネットエクスプローラーを利用している」というログ解析の結果を踏まえると、Media Player用のストリーミング配信をすれば大多数の顧客をカバーできることになります。

Media Player用の動画ストリーミングは調べていくと意外に簡単で、ちょっとしたタグの仕組みを理解できればコストゼロで実現可能な技術です。
マイクロソフトが構築している技術だけに、ダイレクトに動画ファイル(***.wmv)をブラウザーに表示できるので、YouTubuやGoogleVideoのような映像の劣化も無く非常に綺麗です。

当社のウェブサイトでも今日からMicrosoft Media Player用のストリーミング配信を主体にし、ちょっとコストはかかりますが、ネットスケープやFireFoxなど、Mac環境でも表示できるFlash Playerの二本立ての動画配信としました。
参考サイト→→→

変化が激しいのでまたすぐ変更になるかも知れませんが、Media Player用の動画ストリーミングを使った情報発信が、私なりに学習した現時点でのベストチョイスかな?と思っています。

Media Playerを使った動画配信方法を解説しているサイトがあったので、興味のある方はこちらのサイトで技術情報を配信しています。
タグの基礎知識が無いと何のことだか理解できないと思いますが、明日のために是非参考にしてみて下さい。

これは自社のウェブサイトを持っている会社に限定した話です。
しかも2~3ヶ月後にはまた違ったことを言っているかも知れませんので予めご了承下さい。



2006年9月3日日曜日

Web版 『宅建経営塾』 動作テスト完了

Takkenjyuku_1 (社)東京都宅地建物取引業協会が主催している『宅建経営塾』は開講以来2年間で4,500名もの方々が受講されたとても人気のある経営塾(研修システム)です。
更により多くの方々に受講していただくため、飯田橋の会場まで足を運ばなくても自宅や地元の各支部で受講できるようにと、『Web宅建経営塾』構想がこの春から検討準備されていました。
ここに来てやっと稼働システムも決定し、本日お昼頃から接続チェックが行われ、いよいよ14時から第1回目の動作テストが開始される予定でした。



しかし・・・



音声チェックなどちょっとしたトラブルで開始時間が多少遅れましたが、予定通りWeb宅建経営塾初の動作テストがスタートいたしました。



動作テストといっても宅建経営塾ですので、今日は入門コース「不動産広告について」の抗議です。



映像と音声を繋いだ会場は5個所。
○宅建本部のある飯田橋会場
ここにはちゃんとしたビデオカメラと音声さんやスイッチャーが待機
ちょっとした放送局並の設備です。
○渋谷会場
○中野会場
○立川会場
○練馬会場



私は練馬会場を担当し、最初のテストですので自社内のパソコンにウェブカメラを取り付けてテストに参加しました。
途中から練馬区支部情報流通委員長の池永氏も参加したので急遽もう一台のパソコンも会議システムに接続し、都合2台のパソコンでWeb宅建経営塾に参加となりました。



約1時間半に及ぶテストでしたが、さしたるトラブルもなく無事に終了し、とりあえずほっと一息といったところです。
本部会場はカメラもマイクもプロ用機材でセッティングされ、配信されてくる音声・映像共にクリアで綺麗でした。



他会場は私のところも含めてパソコンショップで普通に売っている安価なウェブカメラを使用していますので、映像はそれほどクリアなものではありませんが、量販品でも充分に使用に耐えうることが解りました。



今後もっともっと通信インフラが整備され、光ケーブルの導入が進めば何処でもWeb宅建経営塾の開講が可能となります。
また講義や研修会だけではなく、本部に集まって実施されている重要な会議も、各支部に通信インフラが整備されれば支部内にいて本部会議の開催が可能となります。
これが実現できれば各支部の本部役員がわざわざ本部会議室へ出向く時間的コスト・人的コストが大幅に削減できます。



本日初めてのテストが終了し大きな手応えを感じており、今後このようなシステムは遅かれ早かれ絶対に必要な物だという印象を強く持っておりますが、実際に宅建協会にて導入できるか否かは、コスト面を含めまだまだ難関は多くありそうです。



しかしこの問題を解決して導入が決定されれば、全宅連との兼ね合いや費用負担などの問題はありますが、宅建経営塾の全国展開も夢物語では無くなってきます。



業界全体のレベルアップの為には、基礎教育は避けて通ることが出来ない最重要課題です。
いち早くこのシステムが導入されるよう、今後も見守ると同時に出来る限りの協力体制を取っていきたいと思っています。



2006年9月2日土曜日

Web版 『宅建経営塾』

Hi350213 東京都宅地建物取引業協会には「宅建経営塾」という非常に素晴らしい研修システムが構築されています。
この経営塾のお陰で業界全体のレベルは大分上がってきていると私は思っています。
しかし、飯田橋の教室まで出向かなければならないと言うこともあり、忙しい人達はなかなか参加できないという事情もありました。



自宅や事務所、もしくは各支部会議室等でインターネットを利用した研修システムを何とか導入できないか?ということで、今春からいろいろと調査が続けられ、本日やっとそのテストに漕ぎ着けることが出来ました。



あと30分。
14時からそのテストは開始されますが、飯田橋のメイン会場・中野会場・その他をウェブカメラとパソコンを駆使して多次元中継し、双方向で質疑応答が出来るような研修システムです。



私の事務所にもウェブカメラを設置し、講義を聴くだけではなく、質問したり画像を見ながら勉強していきます。
そろそろテストが開始されるので、結果は終了後にあらためてご報告させていただきます。



近未来はすぐそこに来ています。



防災の日

フリー百科事典「Wikipedia」によると以下のような説明が掲載されています。



1923年9月1日の関東大震災に因んで制定された記念日であり、日付はその9月1日である。



9月1日は年にもよるが、二百十日になることが多く、“災害への備えを怠らないように”との戒めを込めて1960年に制定。この頃に台風が来ることも由来の一つ。制定の前年(1959年)には伊勢湾台風が襲来していた。



この日は各地で防災訓練が行われる。



昨日は突然地下鉄が止まるほどのP波が検知される地震も発生し、いよいよ真剣に災害対策を考えなければならない!
と自信に言い聞かせています。
今朝の新聞にも、災害発生時からライフラインが復活する?「3~4日分の水と食料は各自で確保しましょう!」という食品メーカーの全段広告が目を引きました。



思い返すと防災の日が制定された前年、1959年に大被害をもたらした「伊勢湾台風」の時、私は三重県三重郡伊勢朝日(四日市と桑名の中間)に住んでおり、子供ながらに大災害を我が身で実体験しています。



私の家は丘の上だったのですが、大雨と強風で雨漏りも発生し夜は一睡も出来なかった事、朝明るくなると下の町が水没していた事を子供ながらに鮮明に覚えています。



下の町に住んでいた同級生達で、家が2階建の人は2階に避難して助かったけれど、平屋は水没してかなりの人命も失われました。
水が引いた後で当時僕が通っていた学校へ行ってビックリしたのは、黒板の上から10センチほどのところに喫水線がハッキリと残っていたことでした。



教壇の上にある黒板なので、大人の身長よりはるか上です。



台風は水害ですが、地震発生時は建物の倒壊と火災でしょうか?



こういったことを防災の日だけ考えるのではなく、絶えず忘れず危機管理を頭の隅でも良いですが置いておきたい物です。