遡ること4年半前の2005年2月、不動産業界の概念を大きく変える事になる金丸信一氏書き下ろしの「街の不動産屋さん、”待ち”の経営から抜け出す」の出版を記念して「金丸信一を祝う会」が開催されました。
私もお招きいただきブログにて会場から実況中継をさせていただいた事を思い出します。
あれから4年半、その間に「インターネット不動産経営 勝つための11のセオリー」の出版を挟み、2009年9月3日に新刊「広告禁止!ネット不動産進化論」が出版されました。
金丸信一氏は精密機械メーカーの経営者なのですが、不動産業界の経営コンサルタント的な存在が大きくなり、宅建協会練馬区支部の研修会にも二度ほどお越し頂き、会員向け研修会にて講演をしていただきました。
本を読んでみるとよく理解できると思うのですが、精密機械メーカーの経営者らしくとにかく物を見る視点が普通の人と違って細部にまで及び、普通の人では気が付かないような部分を鋭く突いてきます。だからこそ、目から鱗の発想が生まれてくるのでしょう。
金丸氏の本を読んでいると、「そうだよね!」と同感する部分も多く、しかも何だか自然にやる気が沸いてくるのです。
本の中身は読んでのお楽しみということにし、出版を記念しつつご紹介をさせていただきます。
2009年9月13日日曜日
広告禁止!ネット不動産進化論
2009年9月7日月曜日
来月は「宅地建物取引主任者資格試験」の実施月です。
今年も年に一度の「宅地建物取引主任者資格試験」の日が来月18日に実施と日が迫ってきました。
これに先立ち、先日宅建協会東京本部にて今年度の試験実施に関する説明会が開催されました。
配付された資料によると、不景気の影響が大きく反映され、受験者数は全国ベースで18,648名、-7.2%の減少となり、ブロック別の一都三県では9,709名の減少となっていました。
東京都では昨年の50,996名から4,731名減少した46,265名となり、-9.3%という大きな現象となっています。
景気後退局面になるとここまで減るのかな?と驚きの結果となっています。
私の所属する宅建練馬区支部は、例年豊島区支部と共同して立教大学の試験会場を担当してきましたが、東京都内の試験会場も昨年の40会場から大幅減の29会場となり、今年は中野区支部と共同して江古田の武蔵大学会場を担当することとなりました。
試験が実施される10月18日(日)は、感染拡大の懸念される新型インフルエンザが大流行しそうだと予測されている時期とも重なります。
そんなことから、今年はインフルエンザ対策の準備もいろいろとなされ、感染拡大地域ではマスクの配布その他が予定されているようです。
また、試験を統括する(財)東京都防災・建築まちづくりセンターの担当者より、「感染拡大が深刻な場合には、そのエリアの試験は中止する場合もある」との説明がなされ、もし中止して日を改めて試験を実施した場合、問題漏洩の対策はどうするのだろう?という単純な疑問も湧いてきました。
それについてまちづくりセンターの担当者から、「インフルエンザの感染拡大という非常事態で試験中止となった場合は、試験問題を変更して後日試験を実施する」との説明がなされました。
いずれにしても年に1回しかない試験、インフルエンザが猛威を振るわないことを祈るばかりです。
さてちょっと気の早い話ですが、今年申込みの出来なかった方のために、来年度の実施要綱をお知らせします。
インターネットによる申込み受付は7月1日(木)~7月15日(木)迄、郵送による申込みは7月1日(木)~8月2日(月)、受験手数料は7,000円、試験実施日10月17日(日)となっています。
2009年8月29日土曜日
FDJ社が新設サイトを開設
株式会社不動産データ&ジャーナル社(FDJ)は、2009年8月25日に【〔不動産営業のWebスタイル〕Pushで行くか!Pullで行くか!あなたはどっち?〔P〕の選択/これだけ読めばもう怖くない!】というサイトを開設しましたのでお知らせいたします。
http://www.fdj.com/web-style/
同じく〔Blog★『不動産業戦略e-REVIEW』編集長日記〕でも公開されています。
2009年8月28日金曜日
高裁が賃貸更新料は「無効」と判断
大阪高裁で27日、賃貸更新料は消費者契約法に照らして無効であるとの判断がなされました。
「更新料は無効」の部分だけを読むと、いかにも今後更新料の受領は出来なくなるかのような錯覚を起こしてしまいますが、どうやら関西と関東では事情が違うようです。
消費者契約法は2001年4月に施行された法律で、その趣旨は「消費者の利益を一方的に害する契約の条項は無効」というものであり、今回の大阪高裁の判例は、正に消費者の利益を一方的に害する契約の条項であると決めつけるものでした。
何故このような判断となるのか?
関東のやり方だと、一般的には2年契約で期間満了ごとに1ヶ月分の更新料を受領するようになっています。
2年に1回受領する更新料は、消費者の利害を一方的に害する物ですか?
今回の大阪高裁の事例は、45,000円の賃料に対して1年ごとに更新料が100,000円という物でした。
仮に4年住んだとすると更新料は400,000円、賃料の約8.9ヶ月分となります。
関東の場合だと2年ごとに1ヶ月分なので、同じく4年住んだとすると90,000円となり、大阪高裁の事例は関東の4.4倍の費用を消費者が負担した事になります。
この高額な更新料負担にメスが入った訳で、日本全国一律で「更新料の受領は違法」ということにはならないと思っています。
大阪高裁の判決を受けて最高裁まで上告するらしいので、近々何らかの判断が示されるでしょう。
公庫融資の賃貸住宅など、一部を除き「更新料の支払いを条件としている契約」が殆どなので家主や不動産業界にとって非常に重大な問題です。
今後の動きが気になるところです。
2009年8月26日水曜日
総務省がGoogleに文書で対策要請
24日付で総務省が「Google Street View」の映像が部落差別などに利用されないように近々文書を持って対策を要請する旨のニュースが流れました。
今年6月には「Google Street View」等のインターネット地図情報サービスは、原則として個人情報保護法やプライバシー・肖像権の侵害には当たらないとの見解が示され、仕事で物件案内に「Google Street View」をとても便利なツールとして利用している者にとっては、「Google Street View」が無くなってしまう危険性が回避されホットしていました。
物件案内のために作成した動画(マンション全体を映したもの)がプライバシーの侵害だとして管理組合経由で住民からクレームが付いたりしたこともあり、それからはただ撮影したものをそのまま使うのではなく、じっくり映像を調べて個人情報が特定される危険がある部分は除外したり、ぼかしを入れたり工夫しながら利用するようにしています。
遠方にいて物件周辺を見に行けなかったりした場合、周辺環境を調べるにはこんなに便利な道具はありません。
プライベートでも仕事でも、初めて行く場所の下見にも使えます。
利用する側も一定のモラルを持って利用していきたいものです。
2009年8月21日金曜日
住宅ローン返済行き詰まり、競売件数が倍増
このところ明るいニュースが無く、今朝の朝刊にも「競売不動産、この1年で倍増 住宅ローン返済行き詰まり」という記事が一面扱いで掲載されていました。
その一方では景気は底をついたという記事も出てはいるのですが、実体経済は更に悪化しそうな気配も見えてきます。
「この夏のボーナス大幅カットの影響が出るのは来春ごろなので、競売数は今後さらに増える可能性がある。」とも記載されており、今後の動きが気になるところです。
内容を見てみると購入時の総額が高い(借入額が大きい)戸建住宅が全競売件数の約半分を占め、約20%が居住用のマンション、残りは土地や事業用物件とのことです。
全競売件数の約70%が居住用物件ということはちょっと異常な数値で、逆に言うと住宅ローンの融資に対する考え方を根本的に変えないと、今後も住宅ローンの破綻者が減ることはないでしょう。
住宅ローンを緩めないと若者や低所得者は家が買えず、逆に緩めすぎると景気後退局面で破綻者が激増します。
アメリカのサブプライムローンに学び、もう少し慎重に融資制度を見直す必要があるのではないでしょうか。
家賃滞納者のデータベース化は一時見送り
8月15日付のブログにて、家賃保証会社が今月末頃に共同で業界団体を設立。
家賃滞納者のデータベースを共有して「悪質な滞納常習者を排除する」という話しが朝日新聞に掲載されていた事を書かせていただきました。
その中で、我々宅建協会でも数年前に悪質滞納者のデータベースを作成し、入居審査の際に常習犯的な滞納者を排除する為の運用が始まっていた矢先、個人情報保護その他の問題から「社団法人がそのようなデータベースを所持するのは公益性という観点から好ましくない」との理由で運用が中止された経緯があったことをお伝えしました。
正に今日のニュースは我々不動産業界で数年前に起こったことが、家賃保証会社の業界団体でも同じように起こってしまったという話しです。
不動産管理会社が多く加盟する(財)日本賃貸住宅管理協会でも、悪質滞納者のデータベース化を推進していただけに、この決定はちょっと残念な気がします。
国土交通省が「やむを得ず滞納した賃借人もデータベース化され、賃貸住宅市場から排除される危険性がある」という懸念を示していたことも、一時見送りの大きな要因のような気がします。
一時的な滞納者と、常習的な滞納者をはっきりと区別する仕組みをデータベースに組み込んでおけば、そのような危険性はかなりの部分で軽減できるはずです。
個人情報保護法・消費者保護法、それぞれに消費者個人を守るためには大事な法律ではあるのですが、悪意も持った者までも守ってしまっては本末転倒ということになります。
当社で実際にあった話ですが、昨年夏に明渡しの強制執行を行いました。
約一年間にも渡り家賃を滞納し、その間何度となく話し合いをしても払う意志が無く、引っ越すこともしない。
我々管理会社は賃借人に快適な生活空間を提供する事も大事な仕事ですが、管理会社の雇い主である貸主の権益を擁護するのはもっとも大事な仕事です。
やむを得ず明渡し請求訴訟を起こし、半年以上の時間を費やしてやっと強制執行となった訳です。
もちろんその間も家賃は支払われませんので、家主にしてみれば、「家賃不払いの強制執行に何で半年以上も掛かるのか?」と怒るのも理解できます。
強制執行当日、執行官や保管倉庫業者・家財搬出の人工など、私や担当弁護士も含めると20名近い人間が執行を行うのですが、引越にしては大人数がざわついているので近所の人達は「何事があったのか?」とぞろぞろと外に集まってきます。
執行される側の賃借人は4人家族で小さな子供も二人。
近所の人達が口を揃えて言うのは「追い出されちゃうなんて可哀想に!何で強引に追い出すの?」
滞納の実態を知らない近隣の人達には、執行を掛ける我々が血も涙もなく、鬼のように酷いことをしているように見えるのでしょう。
でも実の被害者は「追い出される賃借人」では無いんです。
一年以上も家賃無しで家を占拠され、しかも強制執行の費用を負担する貸主なのです。
家賃を払わないような人は家の使い方も酷く、中はぼろぼろになっています。
今回のケースでは滞納家賃と強制執行等に掛かった費用は何と総額350万円程となってしまいました。
悪質滞納者は、莫大な費用が掛かる強制執行を家主側はそう簡単にはやらないことを経験値として知っています。
このような悪質滞納者を閉め出すのが今回のデータベースの目的で、一時的に事情がありやむを得ずに滞納する人までをも閉め出すのが目的では無いと信じています。
報道では「一時的な見送り」とのことなので、今月末に保証会社の業界団体が正式に設立され、より良いデータベースが構築されることを期待しています。