2011年6月17日金曜日

中小企業事業分野調整法は機能しているか?

あまり聞き慣れない言葉かもしれないが、「中小企業事業分野調整法」なる法律が現在も存在する。


正式名称は「中小企業の事業活動の機会の確保のための大企業者の事業活動の調整に関する法律」と言い、この法律の主旨は、大企業が中小企業の分野に裾野を広げることに一定の歯止めをかけ、中小企業の事業活動を保護して権益を守ることを目的としています。


その昔、とは言ってもそれほど昔ではないですがこの法律ができた当初、不動産業界では大手企業が仲介分野に進出し、多店舗展開を開始したあたりで、全宅連が分野調整法を元にして大手参入に待ったをかけたことが有ったようです。


その後、和解したと聞いていますが、その当時の判断は何を元に行われたのでしょうか?


この頃、昭和50年代前半以前の不動産業界ははっきりと企業ごとの職域が分かれており、財閥系・電鉄系などの大手不動産会社は「開発・分譲」、中堅不動産会社は「建売分譲や中古物件の仲介」、小さな会社は地場に根ざして「賃貸管理・賃貸仲介」と言ったようにそれぞれにはっきりと職域・分野が分かれておりました。


しかし、昭和53年頃から三井・住友・東急といった各大手不動産会社が仲介分野に進出し、沿線ごとに多店舗展開を開始しようとしていた時期でもありました。


昭和55年頃の話ですが、当時私が勤めていた中堅不動産会社に大手不動産会社からの引き抜きがあり、約一年足らずで100名近い社員が転職したということがありました。


それだけ大手は一気に職域を広げようとしていたのでしょう。


戦後まもなく開発分譲された物件がそろそろ買い換え時期、あるいは相続等での財産処分が始まった時期とも重なり、大手としても昔の顧客を取りこぼさないためには仲介の分野に足を踏み込まざるを得なかったのでしょう。


それから大分経ちますが、最近では賃貸の仲介にまで大手は裾野を広げています。


賃貸の管理に至っては古い建物が再建築される際、建築から管理まで一括借り上げで大手が根こそぎ持って行きます。


あと20~30年もしないうちに、中小零細の不動産会社は業界から姿を消してしまうかもしれません。


何事も努力と工夫無くしては繁栄無しですが、努力してもそれが報われないと「やる気」そのものが削がれてしまい、結果景気は底辺から崩れていくとになるような気がします。


「分野調整法」なる法律が存在する訳ですから、もう少し勉強しつつせっかくの法律を有効活用していきたい物です。



2011年6月14日火曜日

インターネット反響が急に増えた!?

Athome このところインターネットからのエンドユーザー反響が増えています。
喜ぶべき事態なのだが・・・・


何故だろう?繁忙期に大震災が発生し、その余波で時期がずれたのか?等々・・・・


しかし、あるポータルサイト(アットホームウェブ)からの反響だけが増え、それ以外のサイトからは今までとおりで変化無し。


よくよく見てみると、物件検索してお目当てらしき物件詳細画面に入った際、今まで物件詳細項目より下の方にあった問い合わせフォームが、写真や間取図のすぐ下、詳細項目より上の部分に移動していました。


これでユーザーはより問い合わせしやすくなり、掲載会社の方は反響数が増えて喜び、不動産ポータルにしてみれば問い合わせ件数が増えたと言うことは「より良いサイトになった」と言うことになり、一見皆が喜んでいるように思えます。


でも、よくよく考えてみると詳細情報より問い合わせフォームが上に来たと言うことは、詳細情報を見ずに写真と間取図だけ見て問い合わせしている方が増えたと言うことです。


それはどういう事かというと、顧客側からしてみると「問い合わせはしたけれど私の希望物件ではなかった。」と言う現象が起き、情報発信元の不動産会社では成約率が極端に落ちるという現象が起きます。


弊社でもそのような現象はこのところ多く、定期借家物件・喫煙不可物件等の契約条件欄を殆ど見ずに問い合わせをしてくる方が増えてしまいました。


反響が少ないと文句を言い、反響が多くても成約に繋がらないとまた文句を言い、不動産ポータルも大変な思い、大変な努力や工夫をしながらサイト構築を行っていることを思うと、やはり反響が無いよりは成約率が低くなっても反響数が多い方が良い!と言う結論に達します。


やはり、ユーザー側が物件を探しやすく、希望物件を見つけやすく、問い合わせがしやすいサイトが支持されるのだと思います。


現在不動産協同組合主導で業界団体の不動産ポータルサイト「仮称:新ハトマークネット」の構築作業を進めており、各セクションに分かれ、多い時には週3~4回もの打合せを行い、各自がアイディアを出し合ってより良いサイト構築を目指して頑張っています。


それだけに、各不動産ポータルの努力と苦労がよく解ります。



2011年6月12日日曜日

インターネット戦略セミナー「ソーシャルメディア活用術」

20110628_1 23年6月28日(火)午後1時より、千代田区一ツ橋の日本教育会館9階「喜山倶楽部」にて不動産データ&ジャーナル社が主催するインターネット戦略セミナー「ソーシャルメディア活用術」が開催されます。


毎回インターネット活用の先端を行くセミナーを開催してくれるので楽しみにしているのですが、今回は全宅連の総会とバッティングしてしまい参加できなくなってしまいました。


3部構成で約4時間という中身の濃いセミナーとなっており、特に私が興味有るのは第3部のクラウド。


現在東京都不動産協同組合では仮称:新ハトマークネットの構築作業を進めており、クラウド業界では世界一のセールスフォースドットコムのプラットホームを利用します。


3ヶ月前に東日本を襲った大震災にて海沿いの町はほぼ壊滅状態となってしまいましたが、神経質にバックアップを取っていても、全てが喪失してしまってはデータの復旧は絶望的です。


当初我々の業界でもデータを外に預けるなどセキュリティー上以ての外と言う意見がかなり多くありました。
しかし、しっかりとしたデータセンターに預けた方が世界中でミラーリングを行っており、万一一つのデータセンターが壊滅的な被害を受けても諸外国にあるバックアップがデータを守ってくれます。


そんなセキュリティー上の観点からも、クラウドに接続するデバイスの問題からも、OS変更によるソフト組み替えのコスト削減の観点からも、今世界中でクラウド利用が急激に進んでいます。


そんなセミナーなので聞きたかったのですが残念です。


ご興味のある方はFDJ社へお申込みの上、ご聴講下さい。



更新料の是非に関する考察

DSC_0011_edited-1 賃貸の取引においては何かと是非が問われてきました。


何と言っても1921年に初めて制定された借地法は、戦争を背景にした住宅難から借り主を守るためにできあがりました。


その後、度重なる改正を行い、現在の借地借家法へと変わっていきますが、基本的な考え方としては弱い立場の借り主を住宅難から保護するという基本姿勢は変わらずにきています。


しかしバブル崩壊以降、貸し主の立場と借り主の立場が逆転し、現在に至っては完全な借り手思考へと変わってしまいました。


ただでさえ家あまり状態のところに持ってきて、消費者保護法等ができ、お金を払う消費者側を徹底して守るという法制度になりました。


こうなってくると、「今まで何か言うと家を貸してもらえないのではないか?」・「住むところが無くなってしまうのではないか?」と不安を抱いていた人々の『不安要素』が無くなります。


不安が無くなると、人間我慢をしなくなり、法的な取り決めがない「礼金」・「更新料」がそのやり玉にあがり、あちこちで裁判が提訴されるようになりました。


今朝の朝日新聞にも「マンションの更新料を巡り最高裁で弁論」という記事が掲載されていましたが、私の基本的な考え方としては、最初の契約ごとで決めたことはお互い納得した上で決めた契約なので、途中から「更新料は法的根拠が無いから払わない」という理論がまかり通ってしまったら、そもそも契約という行為自体の意味が無くなってしまいます。


消費者を守ると言うことは、不当な行為から守ることであり、決めたことまで反故にするのは守るのではなく過保護・甘やかしのように感じられます。


商行為はお互いの同意によって成立するものであり、更新料や礼金が消費者にとって不当な金銭であるという判例を出すのであれば、それと同時に礼金や更新料の受領を禁止する法制度を決めなければ、何か矛盾を感じる次第です。


代金後払いで物を買い、支払いの際に高いから払わないというのと同じように思えてしまいます。


商取引はお互い対等であるべきで、悪徳商法から消費者を守る法律があるのであれば、悪質な入居者から貸し主を守る法律があってもよいのではないか?と、借り手市場となってしまった昨今の大家さんを見ていると、つくずく感じる次第です。



2011年6月8日水曜日

弊社携帯サイト、スマートフォン用に衣替え

Meishi 最近ではスマートフォンの利用者の方が従来型携帯電話の利用者を超えただろうと言うことで、画面上でより情報量が多く表示されるスマートフォン用に弊社の携帯サイトをリニューアルしました。


最初はなかなか上手くいかず、携帯電話ではちゃんと表示されるがスマートフォンでは小さくなりすぎて見えない。


何度かチャレンジし、携帯サイトを流用しつつスマートフォン用に変換しようとするよりも、結局スクラッチ構築(ゼロから制作)した方が綺麗だと言うことで、ゼロからHTMLを記述してスクラッチ構築としました。


素人のスマートフォン用サイト構築初挑戦としては、納得行かない部分は有るものの、まずまずと自己満足!?


かな?


 



2011年6月5日日曜日

Photosynthの現状についての考察

とても画期的でおもしろい技術、しかもアップルのiPhone対応の技術をMicrosoftが作っていたというサプライズも交え、非常に興味を持ってテストしてみました。


最初は綺麗に繋ぎ合わせることに神経を集中し、映像を作る際の使い勝手が気になっていました。


しかし・・・・・・


情報を見る側にとって致命的なことが昨晩判り、残念ながら『現時点では仕事に使えない』という結果に至りました。
非常に残念です。


それは何かというと、丁寧に時間をかけて撮影したパノラマ映像、情報アップしてもそれを見る側に大きなハードルがあったのです。


出先でPhotosynthの映像を仲間に見せようとiPad(初期型)でアクセスすると、「SilverLightをインストール」という画面に変わり、Microsoftが開発したWeb上で動画やアニメーションを見せる仕組みをインストールするように促されます。


WindowsとMacintoshには対応しているものの、それ以外のOSには未対応でした。


もちろんiPadにはインストールできません。


もう一つ持っていたAndroidスマートフォンでも試みましたが、iPadと同じくSilverLightがインストールできず、パノラマ映像が再生できませんでした。


結局、PCからは当然見ることができますが、現時点ではiPhoneとカメラ付きのiPad2でしか再生できないようです。


限られた端末でしか再生できないとなると、「仕事では使えない」ということになってしまいます。


非常に残念・・・・・


早く他の端末からも閲覧できるよう、SilverLightの次期バージョンリリースに期待大です。



2011年6月4日土曜日

Microsoft Photosynth 物件紹介へのチャレンジ Part-3

いろいろと試してみたがなかなか綺麗にできず、そうこうしていると「人間が物件を見る時って部屋の真ん中に立ってぐるぐる回りながらは見ないよね!」ということに気がつきました。


まず部屋に入ると入り口から部屋全体を見渡しますよね!実はこれが人間の見方なんだと思ったら結構気が楽になりました。


「360度のパノラマ」ということに縛られていたために苦労していたことがわかりました。


そんな感じで作ってみたのが下記二点のパノラマ画像です。
なんだかストリートビューで物件下見しているみたいです。